ニューワールド。
オーストラリアのシャルドネというのであれば、さぞや樽が効いて濃厚で…
かな、と思ってしまいそうになりますが、抜栓してみると、その複雑さを伴った繊細な香りと味わいに驚かされます。
水晶を舐めたような、ややミネラリックで硬度を感じる佇まい。
そこに加わるのは白い花を思わせるフローラルな香り。
やや瑞々さも伴い、露に濡れた岸壁に咲く一輪の花を思わせます。
酸は穏やかで、余韻もさらりとした雰囲気…
ですが!
面白いのが!
抜栓して30分もすると!
その表情がガラリと変わるところ!!!!
アロマはヴァニラを伴うミルキーでまろやかな香りに。
口当たりにみずみずしさを残しつつも、じわりと広がるビターさはオレンジの皮のよう。
余韻に広がる酸味も、さっきまでは存在しなかったはずなのに…。。
千変万化が「純白の品種」たるシャルドネの個性ですが、
抜栓後、こうも魔法のように変わってゆくものなのか。
ちなみにそのまろやかさは「樽」ゆえに。
爽やかさは「冷涼な気候」に由来するところが大きいようです。
ニューワールドながら(とかいうと語弊はありそうですが)品のある空気感。
柔らかな色気を持つセクシーな猫のような。
あるいは
上品な繊細さのある有能な秘書のような。
危うげな二面性に虜にされてしまいそう。
「この"1本"の中で、どちらの表情が好きですか?」
…なんていう不思議な質問もできそうな、魅惑の白ワインです。
ワイナリー名:ソウマ
ワイン名:シャルドネ・ディ・ソウマ
年号:2019
原産地/地方/地区/村:オーストラリア / ヴィクトリア ヤラ・ヴァレー
品質分類・原産地呼称:ヤラ・ヴァレーG.I.
種類:スティルワイン
色:白
味わい:辛口
ぶどう品種:シャルドネ 100%
アルコール度:13.00%
醗酵:フレンチオーク樽醗酵(MLF5%以下)
熟成:フレンチオーク樽 7カ月(新樽比率 5%)
ビオ農法:リュット・レゾネ
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